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幻の津軽そばとは?

津軽そばは、もともと「おもてなしのための蕎麦」でした

 津軽には昔から、大切なお客様がいらっしゃると、蕎麦を打っておもてなしする習慣がありました。

「どうしたら、お客様においしい蕎麦を楽しんでいただけるだろうか」と、先人たちが何代にもわたり、工夫を積み重ねて完成させたのが、津軽の郷土そば「津軽そば」なのです。

 津軽そばには、蕎麦をおいしくする秘密がいっぱい詰まっています

津軽そばを作るには、普通のそば打ちの何倍も手がかかります。

 でも、おいしくするために、あまりにもたくさん手を掛けたので、作るのが大変で、津軽そばの伝統文化は、戦後、途絶えてしまいました。

 お客様に、おいしい蕎麦をご馳走したいという津軽の人の思いが、裏目に出てしまったのですね。

美味しさが忘れられない幻のそば

 昔の津軽そばの美味しさを忘れられない人たちは、「あの呉汁を入れたそばは、美味しかった」と、事あるごとに、その素晴らしさを語りました。

 しかし、語り部はいても、実物は食べられない津軽そばは、いつしか「幻のそば」と呼ばれるようになってしまったのです。

 そこで、そんなにおいしい蕎麦なら、伝統の火を消したくないと、「幻の津軽そば研究会」が結成され、お年寄りにお話をうかがったり、昔の資料を調べたりして、津軽そばの再現に取り組みました。

 試行錯誤を繰り返した結果、平成13年9月、一時は歴史の流れの中に消えてしまうかと思われた「幻のそば」は、見事に復活を遂げたのです。

津軽そばの伝統を『野の庵』が守ります

 『野の庵』では、この贅沢すぎる津軽そばを、召し上がっていただくことができます。

明治時代の始めころは、こういう箱に津軽そばを入れ、棒でかついで売り歩いていました。

 『野の庵』は明治初期の創業で、当初は、津軽そばを入れた箱を天秤棒でかついで売り歩く「振り売り」というスタイルで営業していました。

 そのころ使っていた箱が店に伝わっていましたが、平成19年に起こった火災により消失して、現在は、ここに掲載した写真しか残っていません。

 津軽そばの歴史を物語る、貴重な写真です。

 どうぞ『野の庵』で、津軽の人の「美味しいそばをご馳走して差し上げたい」という思いがギッシリ詰まった、津軽そばの伝統の味を、お楽しみください。